SHOTA KAMITANI



『Message』



2024



Message



Directed by Shota Kamitani



Story



幼い頃に母親が家を出てから、父親だけが奈緒の唯一の家族だった。父親の再婚後、新しい家族と上手くいかない中でも、父親だけは常に味方でいてくれた。しかし、そんな父親が突然他界した。父親亡き後、厳しい現実を受け入れられず、奈緒は新しい義家族とのつながりにも苦しむ。そんなある日、奈緒のもとに、写真家である父から不思議な絵葉書が届く。その絵葉書には、父と娘の思い出が詰まった場所が描かれていた。奈緒はそれらの場所を訪れながら、父の再婚や新しい家族への思いと向き合い、少しずつ父の死を受け入れていく。



Character



河島 奈緒 (18)

大輔の娘で高校生。幼い頃から感情を表現するのが苦手だったが、常に自由人で優しい父親にだけは素直な感情を打ち明けることができた。幼い頃に家を出て行った実母については、ほとんど記憶がなく、そのため父親だけを唯一の家族だと思っている。父親の死後は、その不器用さのあまり、父親のいない寂しさを、父の病気を隠していた母親と弟への怒りとして表現してしまう。

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河島 由美子 (47)

大輔の再婚相手で奈緒の継母。20年前に結婚した前夫との間に慎太郎を授かったが、その8年後に前夫は病気で亡くなった。その後、生活のため写真屋でパートしていたところで、大輔と出会った。奈緒に好かれたい一心で、奈緒の全てを許容してしまうが、そのことがむしろ2人の関係をこじらせてしまっている。



河島 慎太郎 (17)

由美子の連れ子で高校生。小学生の頃に実父と死別して寂しい思いをしたことから、新しく家族になった大輔や奈緒とは誰よりも距離を縮めたいと思っている。これまで二人三脚で歩んできた由美子には、思春期の男子とは思えないほど懐いており、奈緒が慎太郎を信用していない1つの原因になっている。


河島 大輔 (49)

写真家で奈緒の父親。下積み時代に結婚した元妻との間に奈緒を授かった。しかし、13年後、自由人すぎる性格が原因で、元妻が出ていき離婚した。奈緒とは親子関係というよりは友達に近い関係であるが、お互いにその関係を心地よく感じている。奈緒は大輔に多くのことを相談するが、大輔は奈緒に相談せず決めることが多く、特に再婚の相談をしなかったことに関しては奈緒から恨まれている。さらに、自身の病気についてまでも奈緒に隠していたことが、本作では語られている。


ユリ (26)

撮影モデル。大輔の撮影は直感的な指示が多いが、その意図を理解しようと努めている。過去にも何度か大輔にキャスティングされたことがある。これまでは野外での撮影ばかりで、本作で描かれるアトリエ撮影のシーンは、ユリにとって初めて大輔のスタジオを訪れる日である。



Background



　本作は、監督である私が、1年間の海外留学に向かう2ヶ月前に制作開始、留学開始の1ヶ月後に完成するというスケジュールで制作されました。そのため、私は本作を旅立ちを告げる作品として位置付け、制作に臨みました。 そのため、まず初めに「旅立ち」というキーワードが決まりました。


　その上で、旅立ちというのは、「新たな出会い」のタイミングであると同時に、「別れ」の時期でもあります。そして私が「別れ」について考えていた時、過去に心理学の授業で習ったこんなことを思い出しました。それは、人間は死別を受け入れるまでに、いくつもの悲嘆のプロセスを経るというものです。そのプロセスは確か12個ぐらいあったのですが、私は、その中でも「現実の否認」「不当感と怒り」「空想形成」という3つのプロセスを特に強く記憶していました。そこで本作は、主人公がこのプロセスを経る様子を描くことに決めました。



　さらに、人間の死を描くにあたり、物語のキーになる要素が必要であると考えました。映画制作者である私は、私の死後も作品がこの世に残ります。よく死人に口なしと言われますが、こうした作品は、私の死後も、きっと私からのメッセージを次の世代へと伝えてくれるはずです。(少なくとも、そうなることを私は望んでいます。)


　こうした思考から、「死者からのメッセージ」という本作のタイトルにもなるアイデアが生まれました。 こうした生まれた脚本に、前作にて好評いただいた小道具や装飾を多用する演出とシーン毎の雰囲気を生み出すカラー/サウンド編集、さらに前作よりも演者の表情や人物の距離感映すことを意識したカットワークを加えて、本作「message」は完成しました。



Cast & Crew



河島奈緒 ・・・青沼くるみ

河島由美子 ・・・田中さゆり

河島慎太郎 ・・・有川拓也

河島大輔 ・・・本多秀成

ユリ ・・・掛橋浩美

参列者 1 ・・・川崎真太郎

参列者 2 ・・・葛原大

参列者 3 ・・・吉田慎太郎


撮影監督・・・村木祐馬アイルゴー

助監督・・・境野鈴夏

助監督・・・吉田慎太郎
助監督・・・佐藤仁瑛

照明・・・野元格

照明・・・葛原大

録音・・・田中一徳

録音・・・齋藤昂太


特別協力 ・・・ 田中裕貴

英語字幕監修 ・・・Ella O’Neill

英語字幕監修 ・・・Kiera Stankewich


監督/脚本/編集・・・神谷翔太



Awards



世界7カ国 9つを超える映画祭で

受賞・選出いただきました。

​

Golden Lion International Film Festival 2024

Best international Short Film - Winner


Post-Cinema Film Festival 2024

Best Short Film - Honorable Mention


Intuition Earth Film Festival 2024

Long Shorts under 25 Minutes - Selected


Kinosuite International 2024

Best International Student Short Film - Selected


New York Istanbul Short Film Festival 2024

Best Short Film - Selected


Top Indie Film Awards 2024

Best Student Film - Selected


Post-Cinema Film Festival 2024

Best Short Film - Honorable Mention


etc.



Shota Kamitani



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